<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
最新記事一覧
カテゴリー
月毎アーカイブ
コメント一覧
トラックバック一覧
その他
いらっしゃいませ
<< ユビキタス発明 | main | ニュースティッカー訴訟 補足 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
ニュースティッカー訴訟 〜見出しをめぐるビジネス訴訟〜
知財検定が終わってから、余り更新をしない日が続いてましたが、ぼちぼち雑記帳や、知財検定の勉強で気になっていた知的財産に関わる時事ニュースについても、じっくり読んで、ブログで書いてみたいと思います。

さて、今回の話題は、ライントピックス(LT)のデジタルアライアンス社と読売オンラインニュース(以下、YOL)の読売新聞社の著作権侵害、不正競争防止法、不法行為をめぐる訴訟問題です。

ライントピックス(以下LT)は、サイトに貼れるニュースティッカーで、デジタルアライアンス社は、ユーザー登録したユーザが配置したLTにリンク見出しを配信するサービスを行っており、ライントピックスへの配信ニュースとしてヤフーニュースを使用していました。
ヤフーは有料で読売オンラインニュース(以下YOL)の提供を受けて、ユーザに無償で公開しており、同時に広告を掲載して広告料を得ていました。

で、読売新聞社がデジタルアライアンス社に対して、

わが社のニュース見出しをそのまま使用して、収入を得ている(お金儲けをしている)。けしからん! 著作権侵害、不正競争防止法、不法行為である。損害賠償を支払え。また見出しを使うのを差し止めする!」

と訴えた。

一審では、著作権侵害と不法行為について争い、地裁判決は、「デジタルアライアンス側が勝訴」し、原告(読売新聞社)の訴えが棄却された。
二審控訴では、不正競争防止法違反が追加された。判決は、今年10月に出され、これは「読売新聞社側の勝訴」となった。
判決文はこちら>>知財高裁判決

二審の判決をよく読むと、YOL側の主張は、それほど認められている訳ではないことがわかる。
損害賠償は、不法行為ヤフーなど有料でニュース提供してもらっている他
サイト同様、ニュース見出しで営業が成り立っているため、使用料を払うべきという理由
にのみ、損害賠償23万7741円が限度。それ以外の損害賠償(著作権、不正競争法)は該当なし、とある。

ちなみに、損害賠償の使用料は、ひと月1万円強。デジタルアライアンスの広告収入は月5万程度。平成14年末時点で、3000万アクセス。収入の20%取られている。

これ以上多いとぼったくりではないか?というギリギリの線のように思うんですが。
エンジニアの関わる特許料でもこんな割合、そうそうないですよね。知財検定の本では特許料は収入の数パーセントでしたよ。見出しを丸々使うからですか? 

上の損害額(23万円)は控訴人YOLに使用料を支払っている実例が65個の見出し使用で月10万であったので、これを、ライントピックスが実際に配信に使ったニュース見出しの数で割って月1万として算出したものです。

判決文の判断をみて、新しく疑問に感じたんですが、

そもそも、リンク見出しは、そんなに価値があるんですか?

有料だとしても、月10万や20万の価値が果たしてあるんでしょうか?
値段によってはやりすぎになりそうな気がします。

裁判所は、損害賠償の論拠として、
有料ニュースのリンク見出し提供がある一方、それを無断で営業に使っているものがいると、実害があるといえなくもない。」と言ってます。
その一方で、額を決める際に、
こうしたニュースの見出しニュース提供料というのは、確たる基準もなく、何も決まっていないに等しい。
と言っいるように読めます。

つまり、上に書いた私の疑問を起こさせる本来の問題点をさりげなーく提示しています
見出しで興味があれば、クリックして、YOLのサイトに行って、ニュースを読むだろう。裁判所の調査によれば、実例で挙げられたinfoseekスティっカーで、実際に見出しをクリックする確率は8回/1000に満たないそうです。
ニュースへの関心度、という条件を差し引いたとしても、見出しリンクがニュースという価値商品の特別要素や特別価値になってないと、私には思われます。

で、先ほどの疑問。本当に、高いお金を払う価値があるんだろうか?
その値段、妥当なんですか?

ニュースティッカー等のパーツ設置は、あちこちのサイトでありますが、まあいえば、HPという社会のあちこちに、新聞社やテレビのニュース見出し広告塔が置いてあるスタンドがあるようなものですよね。
必ずしも、電光掲示板のように、ニュースの概要がある程度わかるものではない。(見出しだけで、5W1Hがわかるものは少ない)

ライントピックスの場合、見出し「だけ」で営業していたことが、不法行為侵害の判断をさせてしまった要因になるかもしれません。
この勝訴だけで、どのサイトに対しても、見出しも「ニュース配信だ」と主張することは、できないように思われます。意味合いが違いすぎますし、逆提訴されかねない感じがします。

勝訴はしたんでしょうが、この判断を機に、HPでのニュース提供について、本当の適正な価値が見直されることを期待したいです。

以下、上記の知財高裁判決文 を読んで、その論旨をまとめてます。

<判決の論旨をまとめてみたもの>

※YOLは読売オンラインニュース、LTはライントピックスです。

1.著作権侵害について
 一般に見出しにおける時事説明を超える創作性を認めるのは困難。
 YOL側は、侵害された見出しの特定、見出しの著作性の主張立証をしていない。
 全ての見出しに著作性があるとはいえないため、著作権侵害主張は棄却

2.不正競争防止法
  YOL見出しを模倣したとしても,不正競争防止法2条1項3号における
 「商品の形態」を模倣したことには該当しない
  控訴人の不正競争防止法違反を理由とする本訴請求は,理由がない。

3.不法行為
 以下が裁判所の論理展開です。 銑Г鷲塰々坩戮箸覆訌按鸚睫澄↓┐結論。

 YOLは自身のサイトで見出しリンクをとそのリンク先としてのニュース記事を
  掲載しており、ユーザーに無料で閲覧する同時に広告を掲載して広告収入を
  得ている。
 ■截錬未魯筌奸爾傍諾して,ヤフーにより同一のYOL見出し及びこれに対応する
  YOL記事を「Yahoo!ニュース」に表示させた。
 デジタルアライアンスは,上記の期間,Yahoo!ニュースの記事ページを閲覧し,
  YOL記事を含むYahoo!ニュース記事の中から,重要度,ユーザの関心度が高い
  と思われるニュースを選択し,LT見出し及びそのリンク先ウェブページのURL  を手動で入力してLTリンク見出しを表示し、かつ、ライントピックス(ニュース
  ティっカー)の利用ユーザ(設置ユーザ)のHP上のLT表示見出しに表示させ
  ている。
 ぅ妊献織襯▲薀ぅ▲鵐垢蓮■味圓悗離縫紂璽糠杰を無料で行い、LTにニュース
  と一緒に広告を表示させ、収入を得ている。
 ゥ薀ぅ鵐肇團奪スのサイトは、平成14年12月時点で、ユーザ数が2万サイト
  を越え,月間アクセス数は3000万アクセスを越えた
 実質的にみて,LTリンク見出しを多数の設置ユーザに対して配信しているもの
  といえ、YOL見出しに関する業務と競合する面がある。
 В截錬未膨樟椶亮続欧呂覆い、YOLが他サイトに有料でニュースを提供している
  訳で、その一方で無償でこれを自己の営業に使うというのは、侵害による実害が
  あるとみても仕方ない
 ┐茲辰董損害賠償の必要有。実使用料としては、ニュースの数も少ないので、
  1万円程度が妥当。
| 日常の知財 | 11:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 11:40 | - | - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://chizai-kentei.jugem.jp/trackback/58
トラックバック